今回は畝傍カイロプラクティック 坂田さんの開業秘話に迫ります!現在の治療方法に至るまでの苦労や、普段は話しにくいぶっちゃけ話なども全て聞いてきちゃいました!ぜひ最後まで読んでくれると嬉しいです!
畝傍カイロプラクティック
◯住所: 〒634-0061 奈良県橿原市大久保町473−1
◯電話番号:0744-29-5599
インタビューを受けてくださった坂田さま
井ノ口: 本日はよろしくお願いします!
不本意からの本意へ…
井ノ口: 最初に、この道に進まれたキッカケからお伺いしたいと思います。治療について興味をお持ちになるまでの経緯や、学生時代のお話などをお聞かせ頂けますでしょうか?
坂田さん: 実は私の父親が鍼灸師で整骨院を営んでいたんです。しかし、当時はその環境をまったく特別に感じていなかったし、ましてや院を継ぐというような意識も持っていませんでした。
井ノ口: お父様が鍼灸師をされていたということで、幼い頃から身体を治すお仕事があるということはご存じだったんですね。
坂田さん: はい、でも同じ道に進みたいとは思っていませんでしたよ。高校生の時は普通の大学に進学するつもりでいましたし、実際に行きたい大学も決まっていました。しかし、あろうことか担任の先生が私の推薦状を出し忘れたんです。
井ノ口: え、先生が推薦状を出し忘れるって…そんなことあるんですか?
坂田さん: あるんですよ…当時、学校でも大問題になりましたけどね。それで希望していた大学に進むことができず、予定していた未来が白紙になってしまったんです。高校側も自分たちのミスということで、他の大学への推薦を考えてくれたんですが、結局、決まらずじまいでした。
井ノ口: いきなり挫折というか…自分ではどうしようもないところでつまづかれたんですね。
坂田さん: そのおかげでというのも変ですが、そこで初めて整骨院に目が向きました。当時、地元の京都に一校だけ鍼灸を学べる学校があり、「そこでええか…」という感じで進むことにしたんです。ただ、自分が進みたかった方向ではなかったので、最初はあまりやる気が起きませんでしたね…。葛藤もあったし留年もして…それでも5年かけて資格を取って卒業しました。
井ノ口: 紆余曲折ありながらも、鍼灸師の資格を取られて卒業されたんですね。
坂田さん: その後、柔道整復師の資格を取るために専門学校へ入り、学んでいく上で、この仕事の素晴らしさに目覚めていきました。様々なところで働かせて頂き、その知識と経験を生かし、父親とは別のところで開業しました。
井ノ口: 家業を継ぐという形ではなかったんですね。
坂田さん: はい、そもそも「継ぐ」という意識がありませんでした。自分の道を自分で切り開きたいというのが、私の性分ではないかと感じます。
心も身体全体のうちのひとつ
井ノ口: 開業されて28年とお伺いしておりますが、坂田さんの院の強みや施術の特徴についてお伺いしたいです。事前情報では、内臓にアプローチする施術がお得意だと耳に挟んでおります。
坂田さん: 特にそれだけが得意ということはありませんが、私は教材用のDVDを3枚出させてもらっていて、その内容が内臓についてのアプローチだったんです。だから、内臓に強いというようなイメージがあるのかもしれません。
井ノ口: 教材用のDVDも出されているんですね。
坂田さん: はい、実際に割に合わないほど作るのが大変でした。それで知って頂けることは大きいですが、教材などは本当に良いものを作ろうとすると割に合わないのだな、と勉強になりましたね。
井ノ口: しかし教材を作れるほどなので、その技術は確かなのだと思います。他に坂田さんが強みとしているところはありますでしょうか?
坂田さん: いわゆるメンタル的な症状、例えば不眠であったり、パニック症候群、過敏性腸症候群という、どちらかというと病院にかかるような症状の患者さんが半分以上いるのですが、私自身は心に関しての捉え方は他の先生たちとは少し違うかなと思います。
井ノ口: メンタルが原因で起きる症状を抱えている患者さんが多くいらっしゃるのですね。確かに、治療院に行くというより、病院にかかるイメージです。
坂田さん: 私は、心が病むことは絶対にないと考えており、身体を治してあげれば心も戻るという方針で施術をしています。あと、痛みについても結果的に取れるものだと思っています。痛みだけにフォーカスして取ろうというのではなく、痛みも心についても、全体を見ることですね。どこに症状が出ていても、身体全体で捉え、整えるべきところを見つけて整えるという感じです。
井ノ口: 肩が痛いから肩が悪いとか、心が病んでいるから心が悪い、という局所的な考えではないということですね。
坂田さん: 私は同業者にも指導をすることが多々あるのですが、教える上でも必ず身体全体をひとつとして捉えることを前提として話をしています。
大事なのは言葉に踊らされず、結果を見ること
井ノ口: 今までのご経験の中で、お客様から言われて嬉しかった言葉や、心に残るエピソードがあればお聞かせいただきたいです。
坂田さん: 嬉しかった言葉はたくさんありますし、こういう仕事をしている人間はみんな同じ言葉で励まされてきているとは思いますが、強いていうなら、あまり表に感情や言葉を出さない患者さんが、実は裏で私のことをすごく褒めてくれていたり、知人に紹介してくれていたことですね。もちろん自分にもらえる言葉は嬉しいですが、言葉に出さない人が行動に出してくれているというのは、意外性もあって心に残りますね。
井ノ口: 言葉で表現しない方もいらっしゃいますよね。それに、誰かに紹介するというのは信頼があるからだと思います。
坂田さん: それに、患者さんの状態が良くなってきているということ自体が嬉しいのであって、言葉そのものに対しては懐疑的というか…自分の手応えとして、それほど回復していないのに、患者さんから「とても良くなりました」と言われてもピンとこないですよね。なので、言葉に踊らされないように、常に自分の手元をしっかり見るというスタンスでいます。
井ノ口: 坂田さん自身が、ご自分に厳しくなさっているという感じもします。常に患者さんの身体の状態を静観なさっているところが、信頼につながっているのだなと思いました。
将来の展望
井ノ口: 最後に、坂田さんのこれからの展望や夢などについてお話をお伺いしたいです。
坂田さん: 長く続けていることもあり、最近は知っていることを若い世代に伝えていくべきだなという想いを強く感じるようになりました。今は毎月、塾をやっているのと、セミナーや講演なども呼ばれたらどこでも行こうと思っています。現代は昔のような丁稚奉公の時代ではないので、こちらから働きかけていかないと広がっていかないし、良い人材も見つけられないと思うので。
井ノ口: 若者自体も減ってきていますよね。
坂田さん: そうですね、そんな中でやる気のある人に巡り合って、自分の技術を教えていくためには、自分から教えに行かなければと思います。あと、施術面では患者さんの数を減らすというか、一人あたりにかける時間を長くして、今までできなかった施術もしていこうかなと考えています。
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